船乗りのための祝福の鐘
町を離れる時、またはその近くを通る時、船は汽笛を鳴らし・・・
こだまのように、陸からは、何百年もの歴史のある慈悲の聖マリア教会、ドゥブロヴニク市民には、ダンチェの聖母教会として知られる教会の白い建物から、鐘の音が響き渡ります。これは、船乗り達に、海が荒れないように、そして安全に航行し、家族のもとへ無事に帰れるように願って、無原罪懐胎のフランシスコ派修道女達がする、古くから続く感動的な習慣です。特にドゥブロヴニクの船乗り達が祈願する教会で、船乗り達は、今日もこのように教会に挨拶し、修道女達も教会の鐘で、欠かすことなく必ず祝福を送っています。最近では、このドゥブロヴニクの素敵な習慣を受け入れた豪華客船の乗務員と乗船客にも、修道女達は同じように鐘で応えています。また、航海するホテルといわれる客船の乗務員達は、陸に上がると、修道女や崖の上に突然現れる修道院をしばしば訪ねるのです。この修道院は、ダンチェが伝染病の感染者やペストに感染している可能性のある人々の隔離に使われていた頃、1457年、ドゥブロヴニク共和国の大議会の決定により、墓地とともに設立されました。教会には、ドゥブロヴニクの絵画の傑作が二つ保存されています。ロヴロ・ドブリチェヴィッチによる1465年作の複数枚続きの絵画「聖母と聖人達」、およびニコラ・ボジダレヴィッチによる1517年作の複数枚続きの絵画「マリアと聖人達」です。